秘密の装具 ~作戦会議・その後~

 

年末も差し迫って、いよいよ 年の瀬 という感じになってきましたね!

いろんなところで年末進行になっていて、つられてソワソワしている 事務員です。

今日で仕事納めなんて 信じられない・・・

 

さて。

順序が逆になってしまいましたが、ソチパラリンピック・アルペンスキー部門への出場が確定した

「ユーザーさんご紹介 No.3」阿部 敏弘 さん 用に考案した“秘密の装具” についてのブログ。

 

今回は長いのですが(製作した当日も長かった)、宜しければ お付き合いください!

 

 

 

 

「作戦会議に潜入してみた」 でご紹介した “秘密兵器” の後・・・。

阿部さんが二度目にいらしたのは 11月下旬。

オーストリア合宿 と アメリカ遠征 の間に、時間を作って 来社されました。

 

1ヶ月前に おおまかなイメージを伺っておいて 準備はしてあったのですが、

やっぱり 初めて作る装具 ( しかもオーダーメイド )

実際作業するにしても、ご本人がいないと話が進まない! ということで、

 

 

 

最終的に完成した装具は、会社で事前に準備していた形から

 

全く違うものになりました(大笑)

 

 

 

 

 

まず、阿部さんのご希望の装具は 2ヶ。

右腕用と、左手用

阿部さんが出場する アルペンスキー部門 は、コース内にあるポールをターンしながらスピードを競う 競技。

速度を出す為には いかにコンパクトにターンするかが重要 になるので、TVなどでは 競技者がポールに体を当てて滑っているように見える と思います。

実際には、両手に持っているストックで 身体を守りながらポールを倒している のですが、阿部さんがストックを持つのは 左手のみ。

右腕 は写真のようにベルトで固定しているだけの、無防備な状態 で競技に臨んでいました。

 

ベルトで固定していた右腕

左手のストック


肩や背中はプロテクターが入っているんですけどね。

この むき出しの右腕、ポール当たったら メッチャ痛くないですか・・・!?

 

 

いや、痛いから装具作るんですよね!!

( 実際手に当たって、もの凄く腫れました : 阿部さん談 )

 

 

スキー競技で見る あの「ボヨーン!」と倒れる 可倒ポール、競技者は簡単そうに倒していますが

実際には結構固く、しかも 寒い雪山で 高速で当たっていく わけですよ。

そりゃ防具なしでは痛いって話ですよ ( ;∀;) !!

 
 
 
 

というわけで、用途から 当社の製作班が 最初に考えたのは ① の形でした。

ここまで用意しておいて、阿部さんが来社。

しかし・・・

 

 「・・・肩の方までは要らないかな(・∀・)?」

 

ハイ、 ② のサイズまでカット~ォヽ( ;`Д´)ノ !!

( 一気に半分以下のサイズ )

  

さ~ここら辺からちょっと迷走し始めましたよ~(笑)

 

 

 

私も 自分の仕事があるので 全部は見ていませんでしたが、たまーに様子を見に行くと

 

アレ、さっきと違う形になっている!?

Σ(´□`;)

 

まさに「試行錯誤」という言葉を体現した1日でした。

 

 

全部をレポートすると長いので 割愛しますが

以下、ダイジェストで 現場の様子をお届けします。

 

ミシンがけ、楽しそう

ですね(笑)

ウチの会社、いっつも遊んで

いると思われているので、

たまには

「仕事してそうな写真」 

 で頑張っている姿をアピール!!

 

・・・「してそう」って時点で

ダメですかね・・・

 

(左)装具になるプラスチック

   部分に付けるための

   ベルト作り。

 

(右上) ベルトを通す穴あけ

(右下) ベルトを留め付け



 

う~~~~~ん・・・

 

 


 

お! こっち(左手)は完成した模様~(笑)

 

 

 

さて、これらが 「自分で素早く装着できるか」 「固定が簡単に外れないか」 という課題を

クリアできるでしょうか!?

 



 

レース前の緊張している状態で、装着が容易なこと。

レース走行の妨げにならない腕の状態を、激しく動いてもキープできること。

 

 

シンプルな要望だけど、何事もやってみないとわからないものなんですね。

意見を交換して、試行錯誤しながら 少しずつ改良。

 

 

 

 

そして完成した 秘密の装具 がこちらです!!

 

 

そう!

 

先日の 「ユーザーさんご紹介 No.3」 で 丸見えでしたね!!

 

( すいませんすいません )

 
 
 
 

右腕用は 最初と比べると、だいぶコンパクトになりましたが(笑)

走行中にガードしたい箇所(一番当たるところ) のみ残して軽量化。

 

余った部分で 手の甲用のパーツも作りました。

セパレートだけど ベルトで繋がっているので、装着はかなりスムーズ!

固定力も 問題ありません。

 

 


左手用もジャストサイズ!

 

うん、左右セットだと

「オーダー」 って感じ

しますね~+。゚( o゚ д゚o)゚。+

 

今回、頭をひねりながらの 初の試みでしたが、アメリカ遠征での使用感は問題なかったそうです!

 

やっぱりご本人が居てこそ 実を結んだ「試行錯誤」でした(笑)

 


 

 

競技スキー用の プロテクター類は、一般的に 販売されています。

でも 「ハンディをカバーする」 という視点のスポーツ用品 は 探しても種類が少ないですし、

その上 「身を守る」 となると、間に合わせで代用できるものでも ありませんね。

 

こういった ゼロから作る装具 知恵 と 経験 と ひらめき が必要で見てるだけでも本当に大変だと思いましたが、ワイワイ集まっていると なんだか「文化祭」みたいなノリ になってきて、なかなか 楽しそうでした(o´ω`o)

 

 

 

毎回こういうオーダーばかりだと たぶん製作班が 倒れてしまいますが(笑)

当社にとっても プラスになる 貴重な経験を させていただきました!

 

 

ソチパラリンピック、群馬から全力で応援します!

 

阿部さんのご活躍、楽しみにしています☆

 

 

 


 

 

今年も いろいろありましたが

このブログも、お陰様で 良い締め括りが出来た気がします。

 

読んでくださった皆さん、ありがとうございました!

 

 

来年も、会社として 更に向上できるよう

一同 頑張って参りますので

どうぞ 宜しくお願い申し上げます!!