こんにちは!事務員です。
先日立秋だったそうで、そろそろ暑さもひと段落の頃だそうですよ?
このお盆前後は急に雨マーク増えてしまいましたが、毎日あっついのにはもう飽きたので
ホント宜しくお願いします…(誰にともなく)
さて、いまはそんな夏真っ盛りですが。
今回登場するユーザーさんの義足製作のお話しをいただいたのは、まだ年が明けて間もない頃でした。
あの頃は寒かった…(遠い目)
隣県にお住まいの Yさん は、股義足 の製作業者をお探しでした。
股義足=“こぎそく” と読みます。股関節から下の義足ですね。
このブログで初登場の単語ですが、義足の中でも珍しいそうです。
太ももで履く 大腿(だいたい)義足 よりもさらに上部からの義足で、型をとるために専用の治具が必要になります。
Yさんは、以前股義足を作っていただいた業者さんがおやめになったということで、新しい義肢会社を求めて当社の門を叩かれました。
その間、ずっとYさんを支えて頑張っていた股義足は十年越えのベテラン選手!(右写真)
一見するとフォーム(お肉の代わりのスポンジ)がへたってかなり細くなっているのがますが、他の「パッと見わからない部品」にもいろいろと不具合の予兆がみられました。
自動車は「走る消耗品のかたまり」ですが、義足も人間の体重を日々支えながら歩行運動をするので、考え方とすると同じですね。
見えないところにもいろいろな部品(消耗品)を組み合わせて作られています。
なので、各パーツごとに厚生労働省が定めた「耐用年数」があり、それを超えると交換(修理)が可能になります。
例えば 大腿義足(吸着式)は部品の中で一番長い耐用年数が5年なので、製作してから5年を超えると新しい義足の製作が可能 になります(5年以内だと必要箇所の修理という形)
もちろん耐用年数を超えても不具合がなければお使いいただけますが、定期的なメンテナンスを行った方が早い段階で不調の対応が出来るのでオススメです。
そういった面でもやはり車と同じように考えていただくとわかりやすいと思いますが
もう一つ大事な、知っておいていただきたいことがあります!
それは、義足が完成するまでには 時間がかかるということ!!
実際の作業だけ考えると、石膏で型をとってから完成までは、およそ1~2ヶ月。
他に福祉の制度を使う場合は、窓口に行って申請してから「作って良いですよ」という決定がおりるまでの時間が加わります。
そして今回、Yさんは以前義足を作られてから年数が経っているため、使っている部品の仕様変更などもあり お住まいの県の「判定」を受けることになりました。
この一連の流れは当ホームページの『福祉で義肢をつくる』でもご紹介していますが、判定の予約がとれるまでの日数や回数(多い場合は2回の判定を受けます)などはその都度違うので、ハッキリとした期間は決まっていないのです・・・
「混んでいるため、判定の予約は1ヶ月以上先になります」ということもあるので、長年1本の義足をお使いの方は是非、本格的に壊れたり・履けなくなってしまう前にご相談ください!
前置きが長くなってしまいましたが、スムーズに進めば2ヶ月ほどでお手元に届く義足。
今回Yさんは、作り変えのご相談から考えると実に半年以上が経過してしまいました。
股義足が珍しいというのは、ユーザーさんの人数が大腿(だいたい)・下腿(かたい)義足に比べて少ないということですよね。
ご本人の承諾を得て、記録のため採型時から写真を撮らせていただきました。
噂の「股義足採型用治具」
断端を板にのせ、石膏が乾くまでこのままの姿勢をキープ・・・
片足立ちツラいですが、頑張っていただきました!!
こうしてとった石膏からモデルをおこし、仮合せに向けてアライメントを調整・・・(右図)
股義足はこんな形でパイプをつけるんですね(下図)
Yさんの場合はこの仮合せの1ヶ月後に2回目の判定があり、「これで良いですよ」という決定が下りるまで更に1ヶ月。
ご本人にもかなりお待ちいただきましたが、義足もYさんを待っていましたよ・・・。
そして いよいよお迎えの日取りが決まりました!
※ この6枚はクリックで拡大できます ※
待っている間にいろんなポーズで撮影
お引き渡しの日、Yさんはご家族で義足を迎えに来てくださいました。
とても暑い日でしたが、歩行の感触を確かめるために何度も歩いていただいて、たくさん汗を流していたYさん。
これからお子さんの成長を見守る中で、ご自身の活動量も増えることと思います。
大変お待たせしましたが、新しい義足と一緒に、是非たくさんの思い出を作っていただきたいです(*´∀`)
今回は当社もたくさん勉強させていただきました、ありがとうございました!
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